【歌手になるまでの経緯】

昭和57年広島市内で乗っていたタクシーの追突事故(三重衝突)の後遺症により、徐々に視力を失う。
この間、失明と暗黒の世界に対する恐怖から自暴自棄になり、ついには自殺未遂・・・
しかし入院中にテレビから流れてきた『人生』という演歌が心の琴線にふれ、頑張って生きて行こうと心の眼をさます。
昭和62年3月広島演歌祭りで優勝。
その副賞としてプレゼントされた『人生演歌(うた)灯り』で、同年10月歌手デビューをする。

【歌手デビュー後の活動】

◆ 昭和63年6月、カラオケ大会のわずかな収益金を毎日新聞大阪杜会事業団に委託したことが”きっかけ”で盲導犬育成事業のことを知り、同年10月より盲導犬普及活動に取り組み、広島県内最初の盲導犬をはじめ平成19年に、目標であった盲導犬20頭目を寄贈、平成6年には日本ライトハウス盲導犬訓練所移転に伴い盲導犬育成犬舎1棟を寄贈する。

寄贈目標20頭に向けて今からも一生懸命頑張ります。
2007年に目標の20頭を贈る事が出来ました。皆様の暖かいご協力に感謝致します。
2008年よりは盲導犬普及活動はもとより、他ボランティア活動も出来る限り頑張りたいと思います。

この盲導犬普及活動の成果は、個人活動としては国内で初めてのことであり、また視力障害者が視力障害者の為に行っている活動であめがゆえに特に大きな意義があると考えております。

◆ 歌手デビュー以来「老人ホーム・障害者施設」の慰問訪問活動は350回以上、持参した「井上わこ手編みのマフラー」も約2万6千本(※2008年3月現在)になりました。
慰問訪問は完全ボランティアで活動しておりますので、仕事でお招き頂きました場合には、お近くの施設をご紹介ください。

◆ この間、平成3年11月にNHKラジオ「人生読本」に出演した事で、素晴らしい生き方をされている方々との出会い、自分自身の生き方も変わり「目が見えない事は不自由なだけで不幸ではない」と悟る事も出来ました。
そして「盲導犬普及活動の波及効果」と「講演&歌謡ショー」を通じて、何事にも勇気を持って挑戦して貰いたいことや、微力ながら優しい世の中作りを目指して「おもいやる心」を育んでいただげればとの願いを込めて活動を続けております。

◆ 平成23年3月16日 大腸癌により人生を閉じる 享年66歳